グレイヘアにした理由とその魅力を児童書ノンフィクション作家・池田まき子さんにお聞きしました

2022年1月17日にご紹介するのは秋田市在住の児童書ノンフィクション作家・池田まき子さん63歳です。

まき子さんはその著書「クニマスは生きていた!」が、2018年度「青少年読書感想文全国コンクール」の課題図書となっており、そのお名前をご存じの方も多いかと思います。

そんなまき子さんは、60歳で離婚したのをきっかけに、それまで30年間滞在したオーストラリアから帰国。

故郷である秋田市を仕事の拠点にしながら、グレイヘアの良さを情報発信しているとのこと。

昨今、グレイヘアにする人も多くなっていますが、改めてグレイヘアの魅力と中高年の心の在り方を教えていただきたく、手記をお願いいたしました。

池田まき子 自己紹介

63歳。児童書ノンフィクション作家。「グレイヘア秋田」代表。
豪州に30年在住後、2018年春に仕事の拠点を故郷の秋田市へ。
「グレイヘア」「女性のライフスタイル」などについてメッセージを発信中。

児童書ノンフィクションを手がけて20年

30歳で豪州へ渡る

 1958年(昭和33年)、秋田県の鹿角市に生まれ、中学から秋田市へ。秋田市内で旅行代理店の仕事や機関紙の編集などに携わった後、30歳の時に(昭和63年)、オーストラリアの首都・キャンベラにある大学に語学留学。そこで夫(日本人)と出会い結婚。二人の子どもを育てながら、2018年の春まで30年間住んでいました。

 子育てをしながらできる仕事として、フリーライターとして働き始め、20年ほど前からは、主に小中学生向けの児童書ノンフィクションを手がけています。紙芝居や絵本の文、翻訳ものなども含めると、出版した本は30冊ほどに。

動物ものから伝記へ

 初めは犬や猫などの動物と人間の絆をテーマにしたものが多かったのですが、「功績を残しながら埋もれている人物を掘り出し、子どもたちに伝えたい」という気持ちが強くなり、人物伝を取り上げるようになりました。

 紹介する人物は、「夢や目標に向かってチャレンジした人」「自分の思うところを成し遂げた人」たち。努力を重ねた人の生涯を知ることを通して、どのように生きていくべきか……私の手がける本が、そんなことを考えるきっかけになればと願っています。

 故郷・秋田県にある田沢湖を舞台にした著書「クニマスは生きていた!」は、2018年度の「青少年読書感想文全国コンクール」の課題図書になったこともあって、子どもから大人まで多くの人に読んでもらうことができました。

グレイヘア ー 白髪を染めるのも自由、染めないのも自由

グレイヘアにしたきっかけ

 50代で白髪染めを始めましたが、染めたり染めなかったり……。というのも、オーストラリアは移民の国で、肌の色がみんな違うように、髪の毛の色もさまざま。「白髪があったら恥ずかしい」という感覚は全くなかったのです。

 でも、日本に一時帰国すると、母や姉から最初に言われることは「早く、美容院に行っておいで」「白髪があるのは恥ずかしいし、だらしなく見られるから」……。

 その頃、日本ではほとんどの女性が白髪染めをしていました。それも、70代や80代の高齢の女性も。「老いたら白髪があるのは当たり前のことなのに、それほどまで隠さなくてはいけないことなの?」と疑問を持つようになりました。

 そんな時、グレイヘアの女性の姿を紹介している海外のサイトを見つけました。表情豊かに颯爽と胸を張っている姿を見て「かっこいい! 私もこうありたい!」と共感。「ありのままの自分を受け入れ、歳を重ねることを楽しんでいきたいと思い、白髪を染めるのを止めました。7年前、56歳の時のことです。

グレイヘアの魅力

 日本では、落ち着いた大人っぽさより、若さや可愛らしさが重視されがち。そのため、白髪に対して「老化」「加齢」といった悪いイメージが強まり、厳しい目が向けられてきたのではないでしょうか。

 けれども、今は「若さを求めたアンチエイジング」よりも、「自然体で歳を重ねる美しさ」「年齢に見合った上品な美しさ」を支持する人が増えつつあります。そのような女性の象徴としてもグレイヘアが注目を浴び、「白髪を染めない」ことへの共感を呼んでいるように感じています。

 「歳を重ねることをポジティブに捉えよう」といった自然志向の価値観や生き方は、これからも支持され、グレイヘアにする女性はますます増えていくと思っています。

グレイヘアになってからの変化あれこれ

 グレイヘアにした後、シワもシミも愛おしく感じられるようになりました。白髪もシワも、生きてきた年月を刻んだもの。これまで頑張ってきた「証」であり「勲章」なのだと思えるようになったのです。「ありのままの自分」を受け入れたら、歳をとることが怖くなくなりました。というよりも、「歳を重ねていくことが、むしろ楽しみ」になったと言えます。

 「女性の白髪はだらしない」といった固定観念、周囲の価値観、世間の目などから解放されると、気持ちがスッキリ。みんなと同じである必要はなく、自分がどうありたいかを考え、心地良いと思えることを貫いていきたいと、改めて思いました。グレイヘアを選択して、「自由な心」になれたことが、一番の宝物と言えるかもしれません。

「グレイヘア秋田」を立ち上げて

 2018年春、SNSで「グレイヘア」について発信したところ、すぐに全国のグレイヘア仲間とつながることができました。そして、東京や大阪に「グレイヘアの会」があることを知り、「秋田にも作りたい!」と思いました。悩んでいる方々や白髪染め剤のトラブルを抱えている方々に、一歩を踏み出すお手伝いができればと思ったのです。

 その年の12月に5人で立ち上げた「グレイヘア秋田」は、地元のメディアに取り上げられたこともあって、会員が60人ほどに。けれどもコロナ禍のため、この2年ほど大勢で集まる交流会は開くことができていません。今後、どのような形で活動していくべきなのか、模索せざるを得ないところです。

人生の中でのピンチについて

 今回いただいた質問の中に、「人生のピンチ」についてありましたが、「ピンチってあったのかな?」と頭を抱え込んでしまいました。端から見たら「ピンチ」に映っていたであろうことも、実は、自分ではそう捉えていないことに気づかされました。

 30歳で、それまでの仕事を辞めて留学を選んだのは、「もっと何かに挑戦したい」という前向きな気持ちから。また、60歳で日本に帰国したのは離婚がきっかけではあったものの、自分で決めたことなので、「新しい挑戦」と割り切ることができていました。人生の折り返し地点をとうに過ぎていましたが、「人生の再出発」と捉え、もっと自分らしく楽しんでいきたいと思っていたのです。

新たな挑戦は「普段着物」

 各地のグレイヘア仲間が、SNSで着物姿を紹介しています。和装にグレイヘアが映えて和らいだ雰囲気になるのが素敵に見え、「私も着てみたい!」と思いました。

 2020年に着付け教室の初級コースに通いましたが、昨年は忙しかったこともあり一度も着ないまま。1年ぶりに着付けをしたところ、すっかり忘れていて、「このままではいけない」と、12月に再開しました。

 着物と帯は、母と姉、叔母からの「お下がり」。コーディネートの備忘録としてインスタに投稿したところ、多くの方にご覧いただいています。昨年は書道教室にも通いました。せっかく、日本に帰ってきたのですから、遅まきながらも日本の伝統文化にいろいろ触れていきたいと思っています。

 今後の目標は、「グレイヘア&着物」で、私らしいおしゃれを楽しみながら、心軽やかに過ごすこと。「女性のライフスタイル」についても、どんどん発信していきたいと思っています。


まき子さん、お忙しい中ありがとうございました。

まき子さんの「私らしいおしゃれを楽しみながら、心軽やかに過ごすこと」が十分に伝わってくるまき子さんのSNSアカウントはこちらになります。

「グレイヘアを選択して“自由な心”になれた」「自然体で歳を重ねる美しさ」「年齢に見合った上品な美しさ」、含蓄あるまき子さんの言葉を、50代の皆さんに改めて強調し本日の美人さん紹介とさせていただきます。

50s.online編集部が考える“美人さん”とは『周りの人を元気にする大人の女性』。この新しい定義も広めたいと考えております。

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