栃木県にお住まいの仁平加代子(にへい かよこ) さんは、自分の身体は自分で整えながら使うことを目標とした生涯現役運動を指導して25年というキャリアの持ち主。
子どもの頃から他人とコミュケーションを取るのが苦手だったという加代子さんが、どのような経緯で運動指導者となられたのかを教えていただきたく、その半生とこれからの目標を手記にしたためていただくことが叶いましたので、ぜひご一読ください。
仁平加代子(にへい かよこ)
JATI(日本トレーニング指導者協会)公認運動指導者
JSCA(日本スポーツクラブ協会)上級介護予防運動スペシャリスト
JCCA(日本コアコンディショニング協会)インストラクター
NCA(日本コンディショニング協会)インストラクター
JSA(日本所作協会)インストラクター
鋳造業を営む町工場の三女として誕生
鶴舞うカタチの群馬県のくちばしに近い田舎で、鋳造業を営む町工場の家の三女として生まれました。
家は自営業、祖父を筆頭に父や父の兄弟との家族経営。
家内工業なので、従業員家族全員が家で食事をし、お風呂も済ませ、従妹同士で遊んで親の仕事が終わるのを待ってそれぞれの家に帰るという環境で幼少期から思春期までを過ごしました。
血のつながった親戚や従妹同士と一緒に過ごす期間が長かったので、私は他人とコミュケーションを取るのが苦手でした。
学生時代は人の輪のなかに溶け込むのが本当に苦手で、でもそれを悟られるのも嫌で平気な顔をしていました。
団体の中に身を置くと自分自身の孤独を感じるので寂しい思いもするのですが、そんな思いにも蓋をする事で自分を守っていたように思います。
大家族の中での衣食住。
祖父母や親兄弟、叔父叔母、従妹たちとの共同生活は、私にとって様々な学びの場となりました。特に強く印象に残るのは、祖父母が老いてゆく様です。
その当時はまだ在宅医療が当たり前で、かかりつけの病院の先生と看護師さんが自宅まで往診をして下さいました。
祖父母とも自然に老衰し自然に息を引き取りました。
亡くなった時期は違いますが、畳の上に敷いた自分の布団で、枕元にはたくさんの身内。みんなに見守られながら「はっ」と短く息を吸いきってこの世を去る瞬間を見せてくれました。
人は「おぎゃあ」と泣いて息を吐きながらこの世に誕生し、「はっ」と息を吸いきってこの世を去る。
振り返れば、私が生涯「呼吸」の意味を考え続けていくことになる、きっかけだったと思います。
30代半ばでの原因不明の病
結婚を機に栃木県に移り住んだ私は、とあるご縁から運動指導の職に就いていました。
民間のスポーツクラブで筋力トレーニングの指導が主でした。仕事も順調でこれからもっと行動範囲を広げていこうとした矢先の30代半ばに、原因不明の高熱と全身の蕁麻疹、そして痛みにより緊急入院をすることになるのです。
一週間、午前午後と精密検査を受けましたが病名は最後まで分からず、分からないので治療も受けることも出来ず、ただ氷枕で頭を冷やすだけの処置。
鎮痛剤も出ません。高熱と全身の関節の激痛で夜も眠れず、身の置き場のない苦痛に耐えられず、病院の窓から飛び降りたら楽になるのだろうか、という思いが頭によぎりもしました。
しかし、そんな状況でも頭の中は常に仕事に復帰することで一杯でした。
病院が治療の仕様がないのならば、なんとか自分で身体の痛みを取れないものかと狭いベッドの上で筋肉を伸ばしたり緩めたりと、少しでも楽になろうとあがいていました。
退院してから聞いたのですが、私の病名はほぼ95%の確率で「悪性リンパ腫」とのことでした。
仮に悪性リンパ腫なら余命はあと7日と主治医から告知されていたそうです。しかし、決定的な診断がなかなか下りず、何の治療も出来ないまま時間だけが過ぎました。
ところが、私は自己免疫で徐々に自然回復をして無事に退院をし念願の仕事復帰が出来たのです。
病院の先生もなぜ回復したのか、そもそも何の病気の症状だったのか判断が付かず「質の悪い風邪」ということになりましたが、今では笑い話です。
この件以来、私は風邪もひかず、熱も出さず、ずっと健康です。
常に自分の身体を観察し身体と対話して、早めに整えることで健康でいられることに感謝して毎日を過ごしています。
「所作の智慧」と「知識」で健康へと導くお手伝いを
コミュニケーションの苦手だった私が運動指導者になったのは、生きるか死ぬかの大病を患ったことや、大家族で過ごしてきた経験を経て、人の終末期の迎え方と健康ということの捉え方、頑張らないで自然に任せる心地よさと大切さを多くの人に伝えていく役割を担ったからだと確信しています。
私は「自分の身体は自分で整える」「生涯、元気で過ごすために出来ること」を軸にお客様の健康のサポートをさせて頂いています。
身体の使い方の無意識な小さなクセはその積み重ねにより、知らず知らずのうちに健康を害する要因にもなり得ます。
身体の使い方、つまり日常生活の身のこなしを丁寧に行なうことが綺麗な姿勢に繋がり、姿勢の綺麗な人は健康であると考えています。
この綺麗な姿勢とは、身体が無理をしない、自然な本来あるはずの位置に骨があり、筋肉がある、力の抜けた頑張らない自然体です。
自然体の姿勢でいるための「自分の身体を自分自身で整える方法=セルフコンディショニング」で余分な力の抜けたニュートラルな身体の状態、心地よさを感じて欲しいと思います。
セルフコンディショニングは「自分の呼吸」を知るところから始まります。
そして呼吸と深い関りがある「骨盤底筋」からの姿勢戦略で、機能的に動ける身体を手に入れ、心身ともに健康に元気になって頂きたいと願っています。
多くの人は何かしらの身体の不調の悩みを抱えて頑張って生きています。病院に行っても解決しない不定愁訴などはその例です。
それらは、もしかすると身体の使い方のクセから来ているのかもしれません。それらは、もしかすると呼吸の仕方に問題があるのかもしれません。
一人で悩んでいる人を少しでも元気に。
本来の身体の状態へと戻す方法をお伝えしたい。
~無意識に健康でいるために~
「頑張らないで健康に(自分で自分の身体を整える)」
「自然な「呼吸」で体幹を整え健康に」
日本古来の身のこなし「所作の智慧」と、20年以上の運動指導で培った「知識」で多くの人をより美しくより健康へと導くお手伝いをさせて頂きたいです。
加代子さん、お忙しい中ありがとうございました。
加代子さんはご自身のSNSアカウントでも情報発信されていますので、こちらもぜひご参照ください。
「多くの人をより美しくより健康へと導くお手伝いをさせて頂きたい」という加代子さんに心から敬意を表するとともに、これからも加代子さんの活動に注目していきたいと思います(50s.online編集部)。
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