37年ぶりにUターンした菊池由美子さん「エンタメ事業で地元釜石、岩手を盛り上げたい」

菊池由美子

ご両親が高齢ということもあり、この5月に37年ぶりに東京から地元の釜石市にUターンされた菊池由美子さん。

高校卒業後に上京後し、役者、ナレーター、モデル、美容家として活動された由美子さんのこれまでの軌跡と今後の目標を手記にまとめていただくことが叶いましたので、ぜひご一読ください。

菊池由美子

芸能事務所「FUKUプロモーション」代表

なでしこクラシック2022全国大会グランプリ
日本舞踊歴30年
藤間流名取 藤間宣福(ふじませんふく)

岩手県釜石市生まれ

昭和43年(1968年)2月9日 岩手県釜石市生まれ。

子供の頃から明るく元気で好奇心旺盛。

水泳・ソフトボール・陸上・軟式テニス・剣道・アクション・殺陣など様々なスポーツに挑戦して運動神経は良かったが、現在は嘘のように運動神経がない。

東京の短大を卒業し就職。身体を壊して1年半で退職し帰郷。

釜石ケーブルテレビの食べ歩き番組リポーターを半年ほど担当。

その後すぐに東京に戻りモデル事務所に所属。

週刊誌の旅のモデルや着物ショーのモデル、ナレーターコンパニオンなどをし、23歳で女優の道に進む。

舞台を中心に活動。劇団の座長を3年ほど務め退団し、大衆演劇や商業舞台などに出演。

某女優の付き人をしながらドラマや映画を現場で学ぶ。

また、兼ねてから興味のあった美容やリラクゼーションの道にも進み、エステサロンで経験を積んだ後に独立。

産婦人科と提携し、アロマインストラクター、アロマセラピストの資格を活かし産後の患者さんのケアに従事。セラピストの養成にも携わる。

2006年10月に神楽坂にエステサロンをオープン。

美容雑誌の監修なども手掛ける。

2013年よりエンターテインメント系の会社で10年間、2.5次元舞台や映画・ドラマのデスク業務を委託され数多くの作品に携わる。

同会社の舞台の所作指導、映像や舞台のナレーション・声優・役者としての出演も同時に行う。

エンタメ系の仕事が忙しくなったこともあり、2021年10月31日を持って15年間続けたエステサロン事業は終了。化粧品事業は現在も継続中。

25歳から始めた日本舞踊は現在、藤間流の名取。

日本舞踊家名は藤間宣福(ふじませんふく)。

着付は師範。

2019年からテレビ朝日アスクのプロ科で4年間、テレビ朝日の現役のディレクターなどからニュースやバラエティなど様々なジャンルのナレーションを学ぶ。

2022年12月、やまとなでしこの鑑となるべき女性のためのコンテスト「なでしこ日本コンテスト2022全国大会 クラシックの部」でグランプリを獲得。

今年11月、昨年のグランプリとして「なでしこ日本コンテスト2023全国大会」にプレゼンテーターとして出場予定。

東日本大震災

55年も生きていると死にたくなるようなピンチは何度もありましたが、その中でも最大に辛かったのは東日本大震災です。

家族全員の安否がわかるまで1週間以上かかりました。家族は全員無事でしたが家は大規模半壊。1階は全滅です。

家族が苦しむ姿を見ることが今までで一番辛いことでした。

避難所暮らしのあと、仮設住宅で1年半生活をし、修繕した家に戻ることが出来ました。

叔父2人、友人達の家族も津波で亡くなりました。

自分の家族が生きていたことは喜ばしいはずなのに、私の家族は生きていてゴメンという罪悪感にしばらく苛まれ喜べませんでした。

エステ事業も、被災地で苦しんでいる方のことを考えるとこんな贅沢なものを受けている場合ではないと思う方が増え、震災直後から経営不振に陥りましたが細々と続けてまいることができました。

病気もし、愛する人も亡くしましたが、震災で犠牲・被害にあわれた多くの方々に比べたら自分のピンチなんて小さなことのように感じております。

なでしこ日本コンテスト

嬉しかったこともたくさんありますが、やはり昨年出場した「なでしこ日本コンテスト全国大会」クラシックの部でグランプリをいただいたことでしょうか。

SNS投票でも1位になり最優秀特別賞を受賞し、グランプリとのダブル受賞となりました。

もしかしたら、今までの人生の中で一番全力投球したかもしれません。最初からグランプリしか狙っておりませんでしたが、獲れるとは思っておりませんでした。

応援して下さった方々に感謝の気持ちと、残念な想いをさせなくて済んだことでホッとして舞台上で号泣してしまいました。1週間くらいずっと泣いていたような気がします。

釜石で復興のサポート

両親が高齢ということもあり、5月に約37年間暮らした東京を離れ釜石にUターンしました。

芸能活動は都会でしか出来ないものだと東京に拘って住んでおりましたが、コロナ禍以降はリモートが進んだこともあり、イベントの新舞踊の振付や踊りの指導を頼まれてやっております。

東京のテレビ局から出演依頼をいただくこともありますが、釜石にUターンしたことを話すと立消えになることが多く、悔しい想いをしております。

岩手にもテレビ局や制作会社が多数ありますので、諦めてたまるかと釜石で芸能事務所を立ち上げました。

まずは移動のために必要な自動車免許を55歳にして約1ヶ月で取得。

現在苦戦しながらホームページを自分で作成中です。

エンタメ業界の裏方として10年間働いて学んだこと、役者としても30年以上表舞台で学んだことをベースに一から頑張ってみようと思います。

所属タレントはまだ自分しかおりません。

これから自らの脚で岩手県内のエンタメ業界のネットワークを広げ、役者・声優・モデルなどに興味のある若者の夢を育てながら市の若者離れを防ぎ、一緒に釜石を、岩手を盛り上げて行くことが出来れば素敵だなと思っております。

微力かもしれませんが、それが復興のサポートになることを願っております。

日本舞踊で情報発信

なでしこ日本コンテストを通して日本の古きよき和文化を発信し残していくことの大切さを学びました。私にとっての和文化は日本舞踊。

日本舞踊家名の藤間宣福は、たくさんの方に日本舞踊を知っていただき、日本舞踊を通して幸せにしてあげて下さいという意味が込められた名前です。

いただいた名前の通り、日本舞踊を通して伝統芸能の素晴らしさを発信し、興味を持っていただけるようこれからも精進して参りたいと思っております。

また、釜石で着物ショーなど和文化のイベントをやりたいという夢もございます。

子供の頃から夢いっぱいで消化しきれません(笑)

田舎暮らしは都会のようにあくせくしていないので精神状態は良好!

田舎暮らしを満喫しながら、ますます輝いて生きていきたいと思います。


由美子さん、お忙しい中ありがとうございました。

由美子さんはご自身のSNSアカウントでも積極的に情報発信されていますので、こちらもぜひご参照ください。

エンタメ事業で復興のサポートをしながら日本舞踊を通して伝統芸能の素晴らしさを発信したいという由美子さんの志にエールを送るとともに、これからも由美子さんの動向に注目していきたいと思います。


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