車椅子のお掃除専門講師・山口由紀子さん「50代のうちにご自身の身辺整理・生前整理を」

山口由紀子

2022年12月16日にご紹介させていただくのは、掃除・片付けの専門コンサルタントとして長年活躍されている山口由紀子さんです。

由紀子さんの現在の肩書は以下のようになっています。

室内環境改善コンサルタント
おそうじジョーズ 代表
きれいマイスター協会 代表
福祉住環境コーディネーター(2級)

この分野のパイオニア的存在である由紀子さんですが、改めてその経歴を含めて私たち50代に対するメッセージを手記にまとめていただきましたので、ぜひご一読ください。

お掃除・片付け専門コンサルタント 山口由紀子

●経歴

福岡市南区生まれ。幼い頃より「片づけしなさい!」が口癖で、躾に厳しい父の影響を強く受けて育ちました。

飯塚市嘉穂商業高等学校を卒業後、ニットデザイナーの道へ。

ニットデザイナーとして活動したのは3年ほどでしたが、その間にデザインコンクールにて日本一に2回なりました(応募総数8,000人だったと聞いております)。

※この写真は二回目の日本一になった時の作品になります。

この受賞を機に、今は亡き世界的デザイナーであるY氏に一緒に仕事をしないかと声をかけて頂きました。

上京して仕事ができるように手配して頂きましたが、Y氏からのお誘いは【わたしにはデザイナーとして生きる才能がない事】を気付かせてくれることになりまして、デザイナーの世界から引退を決めました。

ただ、このデザイナー時代に学んだ【創意工夫】はわたしのその後の人生に大きな影響を与えてくれました。

デザイナー引退を機に、夫と結婚することになりました。

夫も独創的な人で、25才で個人経営のハウスクリーニング社を立ち上げた人です。ハウスクリーニングを仕事にする前は、数年に渡り船員として海外を回っていてグローバルな視点を持つ人でした。掃除の天才でしたので、わたしの掃除の師匠は夫になります。

わたしは9才の時に脊髄へのウィルス感染で右手・両下肢が麻痺し、車イス生活となりました(左手は動きます)。

ただ両親の躾や周りの友人・知人のおかげで人生を嘆いたり、諦めたり、めげるのではなく、より工夫をしながらより良く生きることを身につけました。

こうして、デザイナー時代に培った創意工夫の視点と、掃除の天才であった夫に教わったプロの掃除法が一体化して、片手で生きるわたしのオリジナルメソッドとして誕生させることができたのです。

わたしが伝えるお掃除や片付けのメソッドは、より効率よく、簡単で体力もできるだけ使わずしかも確実に汚れを落としたり、片付けられるメソッドとなっています。

また、自身が空気感染が原因にてハンディキャップになっていますので、お掃除講座を始めた2004年当時から【室内の空気環境が健康に大きく関わること】を各講座にてお話ししてきました。

本当の掃除とは汚いものをキレイにすることではなく(これは単なる掃除への動機付け)
【室内の空気をキレイにすること】が最大の目標であることを一貫してお伝えしてきたのです。

そして、そのことは【コロナ禍】で証明されることになりました

また、片付けも【家の中での事故は交通事故よりも多い】ので、床にものを置かない工夫をすること等わたしの独自の視点からお伝えしています。

●これまでの人生の中で最大のピンチ

夫が癌になり、59才で亡くなった時です。
余命宣告こそされませんでしたが、肝臓に転移があったために5年生存率は25%と言われました。

7年もの間、夫婦で闘いましたが、59才で夫は旅立ちました。
この時はさすがのわたしも生きる気力を失いました。自分がハンディキャップになった時は子供だったせいか、さして落ち込むことはありませんでした。

でも、子供もおらず頼りにしていた夫がこの世から居なくなったことはわたしから生きる気力を奪いました。

夫の遺言でハウスクリーニングの会社(おそうじジョーズ)を継いでほしい!と言われていたのが、今思えばわたしを救ってくれたのだと思います。

※夫が旅立ったのは2011年。
わたしが県知事の承認を得て日本初のお掃除講座を始めたのは2007年。
認定を受ける前の2004年からお掃除講座は始めていました。

講座やハウスクリーニングの仕事はしていましたが、心が立ち直るまで7年かかりました。

●一番嬉しかったこと

友人・知人達にずっと支えられて、守られてきたことです。
夫が居なくなって寂しくて死にそうでしたが、困ることはほぼありませんでした。
必ず誰かが助けてくれました。
人間関係の大切さが身に染みたことはありません。
おかげで、念願だった掃除の本を出版できることに繋がり2冊出版させて頂きました。

本の出版は、夫がこの世に生きていたという証にもなりました。

●これからの夢&目標

コロナ禍になってからは、リアル講座ができにくくなりましたが、オンラインの世界が開きました。
お掃除や片付けができなくて困ってらっしゃる方へのお手伝いが地域を超えてできるようになりました。

また、家事力は優れた社会資源ですので、一般の方達にプロの掃除や片付けができるよう教え、その方達を講師・あるいは家事代行ができる人達へと育てて社会へ羽ばたくお手伝いがしたい!と思っております。

当面の目標は47都道府県に認定講師さんを輩出したい!と踏ん張っています。
今年は、沖縄・宮崎に新たに誕生しました(リアル講座時代から地元福岡にはたくさんいらっしゃいます)。

そして来年は、いつでも隙間時間に学べるお掃除・片付けのデジタルコンテンツを配信していきたいと思っています(配信の下準備はとりあえずできており、ティーチャブル=会員制オンラインスクールを作れるプラットフォームを活用します)。

●50代女性へのメッセージ

50代半ばから60代手前の女性は、親の介護や親の家の片付け問題が深刻化していきます。
親とはいえ、別人格ですので価値観が違いますから、介護も片付けもそうそう簡単にはいきません。

わたしは、夫の癌・母の認知症の介護体験、遺品整理も経験しています。
肉親の遺品整理、仕事上で体験してきた遺品整理・生前整理は過酷で心身共に痛みを伴います。

まずは、ご自身が50代のうちにご自身の身辺整理・生前整理と向き合ってほしいです。
1歳でも若い方が気力・体力・判断力があるからです。

若いうちから身辺整理を含む室内環境の実態を把握し、実践されることがより良い人生をおくるきっかけになります。

より良い人生を送ることが、親をはじめ家族や社会への貢献になると信じています。

これからの時代を担う50代の皆様が生き生きとご自身の人生を謳歌されますように!

山口由紀子


由紀子さん、お忙しい中ありがとうございました。

由紀子さんはご自身のYoutubeチャンネルでも幼少の頃からの経歴を公開されていますので、こちらも併せてご視聴ください。

YouTube

#掃除#片付け#運氣 チャンネル登録はコチラ↓https://www.youtube.com/user/youko83…

由紀子さんが「お掃除・お片づけ講座の講師を育てる 家事代行のプロを育てる」ために立ち上げたオフィシャルサイトがこちらになります。

由紀子さんが代表を務める「きれいマイスター講座®」についても詳しい説明がありますので興味のある方はぜひ訪問してみてください。

※画像をタップするとジャンプします。

山口由紀子さんFacebookページ
山口由紀子さん公式ブログ
フェイスブック(きれいマイスター講座)

由紀子さんが経営されているハウスクリーニング「おそうじジョーズ®」の公式サイトはこちらになります。

フェイスブック「おそうじジョーズ®」
頬喜屋(プロお勧めのお掃除グッズ販売)

由紀子さんはご自身のSNSアカウントでも積極的に情報発信されていますので、こちらも要チェックです。

「50代のうちにご自身の身辺整理・生前整理と向き合ってほしいです。若いうちから身辺整理を含む室内環境の実態を把握し、実践されることがより良い人生をおくるきっかけになります」

人生の先輩である由紀子さんから頂いたこの貴重なアドバイスを、改めて読者の皆さんに強調して本日の美人さん紹介とさせていただきます(50s.online編集部)。

室内環境改善コンサルタントの山口由紀子です。 《福岡県知事経営革新承認事業》認定の全国初お掃除とお片付けの【きれいマイス…

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