還暦を迎えた佐々木恵子さんは緩和病棟アロマセラピストからキャンドルで癒しの時間を

佐々木恵子

2022年2月2日にご紹介させていただくのは東京にお住まいの佐々木恵子さん。

恵子さんは、医療・介護分野へのアロマセラピーの導入と、企業のメンタルヘルス対策とそれに従事するセラピストの育成等、長年ボランティアとしても活躍されてきた方。

そんな恵子さんが、還暦になったタイミングでキャンドルの灯りとアロマの香りで癒しの時間を提供するサービスに方向転換すると伺い、その詳細をぜひとも教えていただきたく、手記を寄せていただきました。

緩和病棟アロマセラピストから
キャンドル作りへ。

一人娘が社会人になった時、20年後の夫婦の姿を考えると主人と2人だけでお茶を飲む姿が想像出来ず、誰かの奥様、誰かのお母さんでない私の世界を持ちたいな、と思いアロマセラピーの学校に入学しました。

その学校の授業の一環で「緩和病棟でのアロマトリートメント(マッサージ)」に参加させて頂きました。49歳の時です。

初めて担当した患者さまの事は、本当に良く覚えています。60代の男性の方で、現役の頃はバリバリお仕事されていたんだろうな、と思える素敵な方でした。

ナースから「奥様にも、あれこれ指示する気難しい患者様」と聞いていましたが実際、私と2人だけの病室での足のアロママッサージ中には「気持ちがいいなぁ。。。まさかがんが再発するとは、、。こんな体になって情けない、、、。」

吐き気を我慢しながら、こんな事をつぶやいて下さいました。

そのつぶやきは、それまでその方が被っていた重たい鎧を全て脱ぎ捨てて、素の気持ちからの言葉に聞こえました。

そして、「また、来て欲しい」と言って頂けたのです。その時の私はまだ一人前のアロマセラピストでもなかったのに、こんなに喜んでもらえるんだ!ととても感激しました。

それまでの主婦の生活の中ではこんなに感謝してもらった事がないでしたし、、、。

緩和病棟でのアロマセラピーこそ私の天職!と思い、卒業してからもボランティアではありますが、コロナまで10年続けました。

私の父も27年前にがんで亡くなりましたが、父の入院中に「何もしてあげれなかった」という想いも一つのきっかけだったと思います。

この10年間、最初は一人でしたが5年過ぎた頃から、同じ志のセラピストさん10人ほどと
5つの病院で、がん患者の方とそのご家族へ、アロママッサージをしてきました。

施術させて頂いた患者様、そのご家族は2,000名を越えます。皆様には本当に喜んでいただけました。

イギリスやアメリカにも病院の視察に行き、「こんな心のケアの行き届いた施設を日本にも作りたい」という想いも持ってやってきましたがコロナの状況下では「人の体に触れる」という事が許されなくなり、私達の活動も全てストップし、現在も再開のメドも立っていません。

ですが、コロナが発生し、立ち止まり自分について色々考える事が出来ました。58歳の時です。

一番の気づきは「私は自分のコップを満たすために、アロマボランティアをやっていたな」という事です。

実際にアロママッサージを受けた方々には喜んでいただけましたが、ボランティアとしての立ち位置が全く間違っていたのです。

「ボランティアは、自分のコップから溢れるものでするもの」

と常々、私が一緒にボランティアをするメンバーに言っていた事ですが、自分が全く出来てなかったのです。

この事に気づいた時は本当に穴があったら入りたいくらい恥ずかしくなりました!

体調も良くなかった事もありコロナというタイミングで「緩和ケアアロマセラピスト」の活動を含め、アロマセラピストの仕事は辞める事にしました。

コロナでの2年間の休養のおかげで体調も良くなり、ゆっくり自分自身の事を考える事ができました。

今まで沢山の思い違いをしていたな、と気づけました。

そのおかげで新しい考え方、新しい基準の中で今年、還暦を迎える事が出来たのはとても有難いタイミングでした。

そして今後は、キャンドルの灯りとアロマの香りで世界中の方に癒しの時間を届けていきたいと思っています。


恵子さんがプロデュースされたがん患者の方の写真集がこちらになります。「病室写真家TAKA傾斜45度高さ1mの世界」。

「多発性骨髄腫というガンの中でも厳しい血液の病気の患者様が、病室から撮った写真です。死と直面した彼の言葉はご病気で悩む方、コロナ禍で不安な方を勇気付けるのではないかと思います」との言葉も恵子さんからいただきました。

そして、10名様にこの写真集を贈呈していただけることになり、ご希望される方は恵子さんのインスタからコンタクトを取ってみてください。

改めて、10年もの長い間、緩和ケアアロマセラピストとしてボランティア活動されてきた恵子さんに心から敬意を表したいと思います。

そして今後も世界中の人に癒しの時間をということで、そこにあるのはあくまで自分のためでなく他人のためという明確な意思。

見返りを求めない恵子さんの生き方をぜひとも多くの方に知っていただきたいと願い、本日の美人さん紹介とさせていただきます。

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10年間、アロママッサージで癒しを提供してきましたがコロナをきっかけに、キャンドルの「灯」と香りで世界中の人の心に「灯」…

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